『田園の詩』NO.96 「足踏みする春」(1999.4.13) 3月中旬の一週間、福岡市の中心部で、物作りの仲間たち18人で『工芸作品展』を 行い、その間、ホテルに泊まり込み会場に詰めました。会期中、雨模様の日が多く、しか も気温は4月下旬の暖かさでした。 久しぶりに帰宅してビックリ、田圃や畑は草ボウボウでした。「一週間見ないうちにみご とに伸びたものだなあ」と私が驚いていると、「テレビで、サバンナ地方では雨が降り続く 季節になると、今まで砂漠みたいに枯れていた草原が4日で緑色になるといっていた。それ を聞いて、そんなのウソだと思ったが、前の田圃の草の茂るのを見てホントだと確信した」 と、女房も雑草の成長の早さには脱帽していました。 すでに野菜の種蒔き時期なのですが、なにせ雨がシトシト降り続き、畑の草取りもでき ないので雑草は伸び放題です。 さらに、お彼岸になっても、ぐずついた天気は変わらず、寒さも戻って来ました。子規の 『毎年よ彼岸の入りに寒いのは』の句の通りに「毎年」なるのが不思議でなりません。 お彼岸も過ぎ、学校が春休みになって間もなく一日の好天に恵まれました。私が出掛 けている間に、女房と高2の息子でやっとのことで畑の草むしりができたのです。「珍しく 長男が手伝ってくれたので助かった」と女房もホッとした様子でした。 それから2日後の昨日、私と女房できれいになった畑にジャガイモを植えました。遅れて いたので、これで気持ちがすっかり楽になりました。 明けて今日、また冷たい雨です。3月も末ということで、すっかり気が緩んでしまって いる身には、この寒さはこたえます。 中旬の暖かさに誘われて花を咲かせたコブシやハクモクレンが、この長雨で白い花びら を木に付けたまま茶色に枯らしかけています。桜も開花はしたもののストップしてしまいま した。 満月がきれいだったので、夜桜の写真に挑戦してみました。いい写真はほとんど 撮れませんでした。これがやっとましな方です。 (09.4.8写) 初めての家を訪ねて行った時、近くまではすぐたどり着いても、最後に迷ってしまいウロ ウロした経験が何度もありますが、当地の季節は今ちょうどそんな状態なのでしょう。 (住職・筆工) 【田園の詩NO.】 【トップページ】 |